

The C Word / Cワード
(English article below) 「ザ・ベンザ シリーズ2」について書くには、避けて通れないキーワードがあります。これについて多くを語るつもりはありません、なんせ誰もが読んだり聞いたりすることにウンザリしていると思うからです。既に恐ろしさを増し続けているこの言葉にこれ以上の存在感を与えたくはありませんが... コロナ(Covid-19)は「ベンザイングリッシュ」を完成させ宣伝方法を模索している時に起こりました。結論から言うと、何もできませんでした。あらゆる類のイベントが中止もしくはオンラインに。直に会って挨拶するという機会も奪われました。写真もなければ、プレスリリースもない。全てがなくなってしまいました。 とは言ったものの、逆にコロナはこれまでになかったチャンスをくれました。その中で一番デカいチャンスだったのは時間です。このチームを立ち上げた時から応援してくれている人は僕がどれほどマニアックなテンポで仕事をしているかご存知かと思います。この7年間、僕はこのチームを作品ごとに引きずり回してきました。その結果、僕たちが作ってきたものを最


Carol and Shizuka Anderson / キャロルとアンダーソン静香
(English article below) 僕が「ザ・ベンザ」のシリーズ2を書き始めたのは、「ベンザイングリッシュ」の撮影が始まるかなり前のことで す。ちょうどその時、カイル役のカイル・カードに新しい登場人物の説明と、その中にどうしても日本人ハーフを2人加えたいと言ったのを覚えてます。 その理由として僕が通ってた大学や日本語学校では、日本語を勉強している日本人ハーフがたくさんいたので、このベンザの世界にもなくてはならない存在だと思ったからです。それに、日本でキャスティングの多様性を語っている以上、俳優や女優である彼らの選択肢がいかに少ないかも語らなくてはフェアじゃありません。 当初はキャロルはシリーズ2に一話だけ出演するという想定をしていましたが、ありがたいことに先に「ベンザイングリッシュ」を撮っていたんです。そこでキャロルという人物の扱い方を理解し、同時に静香の振り幅もつかめました。 静香はパフォーマーとして素晴らしい人です。彼女の絶妙なコメディのタイミングにはいつも驚かされるし、いるだけでどんなシーンも明るくなります。シリーズ2ではシリア


The Nihongo of it all / 日本語翻訳紀行
(English Below) 今からここに書くことは、みんなにショッキングなことかもしれません... 実は最初、僕は脚本を全て英語で書きました。しかもペンで。しかもノートに。 言われなくてもわかってます。やり方が古いと。けど、自分が何か書きたい気分の時にノートパソコンを持ち歩いているのがイヤなだけです。それが僕のプロセス。だからほっといてね。 そこから、まずセリフを書き出します。その次にアクション、シーンの情景説明、そして必要に応じて具体的な演技のポイントなんかを書き込んでいきます。 そして始まるんです...恐るべき日本語への翻訳が。 僕たちがこの作品の制作に取り掛かって長いこと経ちますが、初期の段階で気づいたことがあります、それは全員日本語の使い方が違うということです。日本人メンバーですら何が正しい言い方なのかを言い合うほどです。(時には怒鳴り合ってたりなんかも) 翻訳の仕方はこうです。各キャストは(基本的には)自分のセリフを訳すことになっています。カイル役のカイル・カードと僕は数日間かけて日本語に訳しています。本人には言ってないけど、この時